上記のような精神症状が特に強く、日常生活に大きな支障をきたしている
もし一つでも当てはまるなら、それはPMDD(月経前不快気分障害)かもしれません。
「毎月のことだから…」と諦めず、つらい症状を一緒に改善していきましょう。
PMDDとは、月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)というものです。月経が始まる3〜10日前(長い場合は2週間前ごろ)から、心身に様々な不調が現れる月経前症候群(PMS)の中でも、特に精神症状が強く現れる重症型を指します。
主な症状は、著しい感情の不安定性、いらだたさや怒り、抑うつ気分、強い不安や緊張など精神面が主体となります。これらの症状は非常に強く、外出が困難になったり、仕事や学校を休んだりするなど、日常生活や社会活動、人間関係に大きな支障をきたすことがあります。
PMDDの症状は、月経が始まると数日以内に軽快または消失するのが特徴です。閉経が近づくと症状が増すこともありますが、閉経後には症状はなくなります。月経のある女性全体の約3〜5%に報告されており、抑うつ障害群のカテゴリーに分類されるため、PMSとは区別して考えられています。
PMDDのはっきりとした原因はまだ完全には解明されていませんが、いくつかの要因が複合的に関与していると考えられています。
女性ホルモンの変動:排卵後から月経前にかけての女性ホルモン、特に黄体ホルモン(プロゲステロン)の急激な分泌量の変化が大きく関わっていると言われています。特に、月経直前の黄体ホルモンの急激な減少が精神状態の不安定さに繋がる可能性があります。卵胞ホルモンとのバランスの乱れも原因の一つとされています。
脳内物質(セロトニン)の関与:「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが、月経前に減少することが報告されています。セロトニンは気分や感情、痛みに影響するため、その減少が精神症状を増長させる要因と考えられます。
自律神経の乱れ:女性ホルモンの変動は、心身のバランスを司る自律神経の乱れを引き起こしやすく、精神的な不安定さに繋がります。鍼治療は副交感神経の働きを優位にし、リラックス効果をもたらすため、PMDDの方におすすめです。
ストレスや生活習慣の乱れ:精神的なストレス、過労、睡眠不足、栄養バランスの偏り(特にビタミンやミネラル不足)、運動不足、喫煙、飲酒なども、ホルモンバランスや自律神経の乱れを助長し、症状を悪化させる要因となります。
東洋医学的な観点:東洋医学では、PMDDを含むPMSは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」のバランスの乱れや、特定の臓腑(主に「脾」「腎」「肝」)の機能低下が原因で起こると考えます。特にPMDDのような精神症状が強い場合は、「気」の流れの停滞(気滞)や逆流(気逆)といった「気」の異常が主な原因と考えられます。また、婦人科系(女子胞)と関連の深い「脾」「腎」「肝」のバランスが崩れることで、子宮周辺の血液循環が悪くなり「瘀血(おけつ)」という状態に繋がり、これも症状に関与すると考えられています。
これらの要因が複雑に絡み合い、毎月のつらいPMDD症状を引き起こしているのです。
「生理前だけだから」「我慢すれば乗り切れる」とPMDDのつらい症状を放置していると、現在の生活の質が低下するだけでなく、将来的に様々なリスクを招く可能性があります。
日常生活の質の著しい低下が続く:毎月のように強い精神症状に悩まされ、仕事や家事、学業の効率が著しく低下したり、趣味や友人との付き合いを避けたりするなど、活動範囲が狭まり生活の質が著しく低下した状態が続いてしまいます。
精神的な不調の悪化・慢性化:イライラ、落ち込み、不安といった精神症状が慢性化し、うつ病などの他の精神疾患を併発・悪化させたり、専門的な治療が必要な状態に移行したりするリスクがあります。
人間関係の悪化:感情のコントロールが難しくなることで、家族やパートナー、友人、職場の同僚との間でトラブルや口論が増え、人間関係が壊れてしまう深刻な影響を及ぼすこともあります。
自己肯定感の低下:症状が出ている自分を責め、「またダメだった」「何もできない」と感じることで自己肯定感が低下し、さらに落ち込みやすくなるという悪循環に陥ることがあります。
身体的な不調の定着:PMDDに伴う頭痛、腰痛、むくみ、倦怠感などの身体症状も、放置することで慢性化し、改善しにくくなる可能性があります。
PMDDは、適切なケアによって症状の改善が期待できる病気です。つらい症状を我慢せず、早めに専門家や医療機関に相談し、ご自身に合った対処法を見つけることが大切です。
一宮市のさわやか接骨院 はり・灸院では、PMDDのつらい精神症状や身体症状に対して、薬に頼らず身体に優しい鍼灸治療を中心に、その根本原因にアプローチすることで、症状が出にくい身体づくりを目指します.
東洋医学では、PMDDは「気・血・水」のバランスの乱れや、特に「脾」「腎」「肝」といった臓腑の機能低下が関わっていると考えます。一宮市のさわやか接骨院はり・灸院の鍼灸治療は、これらのバランスを整え、人間が本来持っている自然治癒力を高めることを目的としています。鍼治療によって副交感神経が優位に働き、リラックス効果も期待できます。
丁寧なカウンセリングと東洋医学的検査で原因を特定: まず、お悩みの症状(精神症状、身体症状)や、症状が現れる時期、生活習慣、ストレス状況などを詳しくお伺いします。その上で、脈診や腹診、舌診といった東洋医学的な診察や、姿勢分析、関節の可動域検査などを行い、お一人おひとりの体質やお身体の状態を正確に把握し、PMDDの根本原因を見極めます.
全身調整鍼で「気・血・水」のバランスを整える: お身体の状態に合わせて、手足やお腹、背中などにあるPMDDに効果的なツボ(経穴)に鍼をします。これにより、全身の「気」と「血」の流れを促進し、体内の余分な「水」の排出を助け、ホルモンバランスや自律神経の乱れを整えていきます。東洋医学的に関連の深い「脾」「腎」「肝」の機能を調整するツボも用います。
症状に合わせた局所鍼でつらい症状を直接緩和: 特に強く現れる精神症状(イライラ、落ち込み、不安)や、PMDDに伴う身体症状(頭痛、下腹部痛、腰痛、乳房の張り、だるさなど)に対して、それぞれの症状に関連するツボや部位に鍼をすることで、症状の緩和を目指します。
骨盤周りの血流改善と自律神経調整を目的とした鍼: 骨盤内へのアプローチは、婦人科系の働きを整え、乱れがちな女性ホルモンのバランスを調整する上で重要です。骨盤周りの血行を促進し、冷えやむくみの改善を図るとともに、自律神経のバランスを整える効果のあるツボにもアプローチすることで、精神的な安定を促します。
お灸による温熱療法でさらに効果アップ: 必要に応じて、鍼とともにお灸(温灸)を併用します。お灸の温熱刺激は、血行をさらに促進し、筋肉の緊張を和らげるだけでなく、心地よい刺激でリラックス効果を高めます。特に冷えが強い方や、お腹周りの不調を感じる方におすすめです.
安心・安全な鍼灸治療: 当院で使用する鍼はすべて使い捨てのディスポーザブル鍼で、衛生管理を徹底しておりますので安心して施術を受けていただけます。鍼は髪の毛ほどの細さで、ほとんど痛みを感じることはありません。初めての方にもリラックスしていただけるよう、丁寧にご説明しながら施術を進めます。
生活習慣・セルフケアアドバイス: 施術の効果を維持し、PMDDの症状が出にくい身体を維持するために、ご自宅でできるツボ刺激(例: 足の甲にあるストレス緩和のツボ「太衝(たいしょう)」)や、お灸のセルフケア、食事、睡眠、ストレス対処法など、東洋医学に基づいた具体的なアドバイスを行います。
これらの鍼灸治療を中心としたアプローチを組み合わせることで、PMDDによる心身のつらい不調を根本から改善し、毎月の月経前を少しでも穏やかに、快適に過ごせるよう、一宮市のさわやか接骨院 はり・灸院は全力でサポートいたします。
PMDDの症状は月経前に現れ、月経開始とともに軽快するという特徴があるため、ある程度症状の時期を予測することができます。この特徴を活かして、つらい時期を乗り切るための工夫や対策を日常生活に取り入れることが大切です。
症状が出る時期は無理をしない: 生理前のつらい時期には、仕事や心身に負担のかかるイベントのピークを避けるように計画を立てましょう。症状が出ている時は、普段通りにできないことがあっても「いつもの60%くらいで仕方ない」と割り切り、自分を責めすぎないようにしましょう。
十分な睡眠と休息を確保する: 心身をしっかり休めることで、ホルモンバランスや自律神経の安定に繋がります。決まった時間に寝起きするなど生活リズムを整えることも重要です。
自分なりのリラックス法を見つける: 深呼吸、軽いストレッチ、ヨガ、アロマテラピー、好きな音楽を聴くなど、ご自身がリラックスできる方法を見つけて実践しましょう。ゆっくりお風呂に浸かるのも効果的です。
バランスの取れた食事を心がける: 鉄分、亜鉛、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを意識的に摂り、栄養バランスの偏りをなくしましょう。カフェイン、アルコール、タバコは症状を悪化させる可能性があるため、控えるのがおすすめです。
適度な運動を取り入れる: ウォーキングや軽い有酸素運動は、気分転換になり、ストレス緩和や自律神経の調整に役立ちます。
基礎体温を記録し症状日記をつける: ご自身の月経周期と症状の関連性を把握することで、いつ頃症状が出やすいか、どのような症状が強いかなどを認識でき、事前の準備や対策に役立ちます。
信頼できる人に話を聞いてもらう: 一人で抱え込まず、家族やパートナー、親しい友人など、大切な人に症状について伝え、理解や協力を得ることも助けになります。
セルフケアとしてのツボ刺激: 足の甲にある「太衝」のツボは、ストレス緩和や血行促進に効果が期待できます。お家で優しく押したり、温めたりしてみるのも良いでしょう。
これらの対策に加えて、鍼灸治療を組み合わせることで、より根本的な体質改善を目指し、PMDDの症状に悩まされない日々を送るためのサポートが一宮市のさわやか接骨院はり・灸院では可能です。
執筆者:【柔道整復師 はり師 きゅう師 柔道3段】
院長 高木さやか
こんにちは、一宮市のさわやか接骨院はり・灸院 院長の髙木さやかです。ホームページをご覧頂きありがとうございます。
当院は『患者さまが笑顔で日々を送れるように全力を注ぐ』ことを最も重点として、痛みの緩和、改善、身体と心の不調を取り除き、その先にあるQOL(quality of Life)生活の質の向上を考えております。